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小売業・飲食店におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進め方 ~導入編~

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■ DX(デジタルトランスフォーメーション)の進め方における全体像

 前回、小売業や飲食店における近年のDXへの取り組みについて、紹介した。リアル店舗で実現していた経験価値を、オンラインで実現する必要性やブランディングの重要性について改めて認識した。今回は、実際にDXを取り組みにあたっての進め方について、説明していきたいと思う。

 但し、1点留意点がある。進め方については、各社の今までの取り組みおけるフェーズや求められるスピード感(会社の体力)によって、大きく異なるため、何を優先すべきかによって、カスタマイズして頂きたいと思う。紹介する進め方については、中長期的な観点で述べるため、直近の急速的な変化における対応としては、スピード感を大事にして欲しいと思う。

 さて、まずDXを行うにあたっては3つのステップに分けて考えていく。

   1. 戦略

   2. 導入

   3. 運用

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DXの進め方の全体像
  1. 戦略

戦略では、まずコロナによる消費者行動の変化によって生じた、ユーザーフローやそれに対応するビジネスモデルの見直しを行う。例えば、EC・デリバリーなどの利用が増えることやそれによってデリバリーでは、お試し感覚で注文が入り、従来とは異なる位置づけでの利用がなされる。また、以前説明したスマホオーダーによる事前注文が以前よりも増え、店舗構成をデリバリーに対応できるよう環境を変えていくなども考えられるだろう。このように、まず対象業界で、コロナを機に消費者行動がどのように変化してきたをまず捉えていく。これによっては自社のビジネスモデルを見直すことや、販売チャネルのポートフォリオを再構築するなどの必要性が生じるだろう。

 次に、実際に変わるユーザーフローやそれに対応する業務フローについて、現状(As-is)と改革案(To-be)を作成する。このときにポイントとなるのが、データ活用・経験価値・ブランディングである。中長期的な観点からデータを蓄積してマーケティングに活用できるような設計を検討すること・オンラインにて経験価値を実現すること・それらを通じてブランディングを行っていくこと。この点を重視することで、アフターコロナについてもビジネスの継続性を保っていくことができると考えられる。経験価値ではよくディズニーランドなどが例として挙げられるが、そこまで難しく考える必要はない。例えば、宿泊業であれば疑似体験のような取り組みがあるように。小売業であれば、店舗で購入しているかのような、購入者視点の動画を制作するなど、やり方はそれぞれ考えられる。また、ブランディングという点においても、小さなことから行っていけばよい。例えば、宅配事業では、非常に安易に考えがちである宅配する人たちに注目したい。運送業者の人であれば、たしかに毎日くるケースがあり、自ずと仲良くなり、ちょっと気分のよい配達サービスを受けられるだろう(人によっては嫌うケースもあるが)。飲食店においても、覚えてくれていて、「先日はありがとうございました」と一言もえらえるだけで、喜びを感じることもあるだろう。

 このように、非常に細かいところだけでも、ブランディング活動に貢献できるわけだが、宅配事業ではそこまでここの力の入れどころが弱い。競合が最近では増えているため、このような取り組みが今後重要になり、これはECなどのオンラインでも適用できる方法である。つまり、オンラインにおいても、人間性を取り組むことが経験価値の実現につながり、かつブランディングへとなっていくのである。「北欧、暮らしの道具店」は、このあたりの取り組みが非常に上手だと思う。

 そして、戦略が机上の空論にならないためにも、定量化を図ることが重要である。そのためにも上記で検討した戦略に紐づくKGIをたてて、さらにKGIを達成させるためのアクションをKPIで追っていく。それにより、戦略と実行での乖離を防ぐことができる。

 

  1. 導入

 ここからは、To-be像に合わせて、どのようなITツールを検討すべきなのか、ベンダーはどのような企業にすべきなのかを検討し、導入していくフェーズである。このときに注意すべきポイントは必ずTo-Be像やアウトプットイメージを先に決めておくことだ。これがブレると、想定したものと異なる仕様になり、データ分析なども行えず、無駄なコストが発生してしまう。コンサルタントは消費者調査やPPTの作成においても、先にアウトプットイメージを固めることが多いが、特にITツール導入などは、実際に吐き出させるデータをどのようなレポートにするかまでイメージを固めた状態で行うのをおすすめする。また、ドキュメントが無く、後から修正ができないなどならないように必ずマニュアルなどを作成し、見える化を行っておこう。

 

  1. 運用

 運用フェーズについては、現場研修や新評価制度の構築などが考えられる。現場研修は新たな業務フローや役割について、認識をあわせること。オンラインであっても経験価値を実現させることなどに重点をおき、研修を行っていく。新評価制度については、新たなKPI設定により、既存の評価制度では評価できないなどの乖離が生まれた場合に設計し直すことを想定している。

 

 まずは大まかなDXの進め方について説明をした。次回はこの取り組みをワークマンにて勝手に想像して、DXをする場合にはどのようにするかなどを、経営戦略の観点も含めて、行いたいと思う。また、題名の通り、ワークマンの次に飲食店についても紹介する。