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デジタルトランスフォーメーション(DX)とECサイトについて

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デジタルトランスフォーメーション(DX)とデジタルマーケティングについて

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れからECサイトを立ち上げる企業が多く見受けられる。先日も筆者は、ある化粧品ECを保有する企業からDXの案件で相談を受けた。提案書を1枚さっと作成して欲しいとのことだったので、作成したところ「提案内容が軽い」と言われたので、ちょっと腹が立ち、今回はDXやデジタルマーケティングの始め方について、紹介したいと思う。

DXやECにおけるデータマーケティングの課題

 DXにおける考え方については、以前の記事で紹介したため、今回はデータマーケティングにおいての課題について紹介したい。

 企業の多くは、部分最適化された組織を形成されているため、全体最適には非常に弱い。そのため、例えばコミュニケーションツールやプロジェクト管理ツール、データシェアツールが部署ごとに異なることはないだろうか。これらの問題は多くの企業が持っている課題であり、特殊なことではない。システム会社にMA導入を依頼したものの、社内で結局MAをうまく活用できていない。セールスとマーケティング部門の連携がされておらず、ECサイトのデータを活用しきれていない。情シスのみで設計したデータプラットフォームでは、マーケティングに活かせるデータの持ち方になっていないなど。これらの問題は、全体最適で推進してこなかったことによって生じた問題である。

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 なぜこのような問題が起きるのかについては、上記の図で説明しよう。デジタルで求められるケイパビリティは、主に5つが挙げられる。

 ①ストラテジー(事業・マーケティング戦略)

 ②マーケティング(広告、サイト構築、コンテンツ制作など)

 ③セールス(イベント、インサイドセールスなど)

 ④テクノロジー(DMP、MAツールの導入)

 ⑤オペレーション(ツール運用、広告配信、コンテンツ配信)

 DXやECサイトを立ち上げる際に、本来上記5つを把握して進めていく必要がある。しかしながら、プレイヤーが複数いるようにサービス提供側であっても有するケイパビリティは一部に限り、各社の協力のもとでないとPJはうまく進まない。加えて、社内においてこのケイパビリティを全て保有しているケースは稀であり、外部の協力を得ながら取り組む必要がある。また、複数のプレイヤーと社内のメンバーを加えて行う複合組織では、必ずといっていいほどPMが重要になってくるため、PMをしっかり考慮した上で選定することを勧める(PM専門のコンサルタント会社があるように)。

デジタルマーケティングを行うにあたってのステップ

事業戦略の理解、STP分析

 それでは具体的にデジタルマーケティングを実施する上で、必要なステップについて説明していきたい。まず行うべきことは事業戦略を理解することである。これは、意外に抜けがちな部分である。先日国内の大手代理店が行っているPJにサポートとして参画したが、彼らでもクライアントの事業戦略を把握することはない。もしくはできない。それは先程述べたようにコンサル会社の領域に係るからだ。代理店が多く行うステップとしては、既存のサイトや広告手法について、現状を分析し、Webマーケティングの観点から改善点を提示し、CVを向上させる方法である。これが間違えというわけではないが、十分では無いと思う。本来は事業戦略の方向性を鑑みて、現状の課題や改善点が戦略と一致しているかどうかを検討すべきだ。例えば、今まで30代主婦をメインに広告を出し、CVを獲得してきたが、事業戦略では、30代主婦はこれ以上伸びないと判断し、20代男性を獲得する計画を立てていたとする。その場合、先ほどの広告代理店が採用する方法だと、20代男性を獲得する方針にはならず、30代主婦をどうしたらより増やせるかの議論が始まる。そもそも、市場のセグメントはどうなっているのか?自社のターゲットは?他社と比べて何が強いのか?などの観点が必要だが、ない状態で、やみくもに既存サイトの改善などを行うケースが多い。そして、これは何を背景に、目的に改善するPJなのか、分からなくなるというのが最悪なシナリオである。

 したがって、まずは事業戦略を理解しよう。事業として、顧客数を拡大する方針なのか・リピート率を向上させたいのか・購買単価を上げたいのか、はたまたコーポレートブランドの価値を向上させたいのか。それによって観測するKPIも変わってくるだろう。また、マーケティング戦略ではあるが、STPについて整理しておく必要があるだろう。まず、市場にはどのようなセグメントがいるのか。セグメンテーションには切り口が多くあるが、この切り口はまさに事業戦略から考えるところである。単価を上げることが目的である場合には、単価で市場のユーザーをセグメンテーションすれば良い。つまり、何をKPIとして持つかによって、市場の切り口は変えていけば良いだろう。そして、そのセグメントの対象者数や自社の強み、弱みなどを考えながらターゲットを定めていくのである。

カスタマージャーニー設計、クリエイティブ分析

 ターゲットの選定、他社と比較したときのポジショニング(4P分析などを活用する)が決定した上で、次に行うことは、カスタマージャーニーの設計である。カスタマージャーニーでは、ユーザーの購買フローを定めるものであるが、どのようなチャネルでどのようなコンテンツで、ユーザーを購買へ遷移させていくのかを考えるものである。そのため、例えば各SNSの特徴を踏まえた上で、AセグメントにはTwitter、BセグメントにはFacebookといったように、セグメントに応じたチャネルを選定することや、Twitterはリピート率向上・Facebookは認知度向上のように、購買フローの段階に応じてチャネルを選定することが必要となる。

 また、同様にコンテンツについても定めたターゲット×購買フローの段階(ファネル)に合わせて、何を見せるのかを検討する。認知度向上の段階では、情緒的価値に訴えるビジュアル重視の記事、商品検討フェーズでは、テキストを増やし、機能的価値を訴求したコンテンツなど、購買フローとターゲットに応じたチャネルやコンテンツを検討していくのである。

 この際に、重要となるのが、各フェーズにおいて効果測定ができるような状態になるかといった点である。つまり、定量的なデータを取得できる状態にする必要があり、ここでシステム要件を検討する必要がある。ここで、検討する上で必要な観点は、費用(初期・イニシャル)と実装期間、効果が挙げられる。ただし、見える化が主な目的であるため、これ単体で効果が定量的に表すことは難しいため、費用対効果は全体の中での費用と効果で検討するのが良いだろう。

Webマーケティング戦略立案

 最後に上記ステップを経て、やっと(Web)マーケティングの戦略立案を行うのである。例えば、リスティング広告におけるキーワード選定や、コンテンツマーケティングにおけるコンテツリストの作成、サイトのリニューアルなどがそれにあたる。

 つまり、本来Webマーケティングを行う上で、上記の事業理解やSTP分析といったビジネス側の課題整理や構造化をしていく必要がある。しかし、実際はそのステップを踏むことは少なく、リスティングのクリック数やCV数にすぐに目が向きがちであるが、全体像をまずは把握することを心掛けると良いだろう。

マーケティング部門の担当者へ

 近年、コロナの状況もあって、さらにマーケティングの必要性が高まっている。そのため、会社としては、DXの流れからマーケティング部門へ、大きなプロジェクトを任せるケースが増えていくだろう。このときに考えて頂きたい点は、事業側の観点、まずはビジネスとしてどうなのか?(他社の方が価格は安い、品質では自社がNo.1)である。これが抜けるとそもそもマーケティングでは解決できない事項もある。したがって、経営企画部などの協力ももらいながら、このようなプロジェクトは進めるべきであり、その関係性が持てない場合にハブにコンサルを活用するなど、外部をうまく使うことをおすすめする。