MENU

新規事業の作り方

f:id:consultant-biz:20200514155813j:plain


■ はじめに

現在、コロナによって小売業等のリアルを要する業態においては、非常にマイナス面での打撃を受けている。そのため、どのビジネス記事を読んでも、マイナスの影響について多く書かれているが、決して悪いことだけでは無いだろう。近年、リテールテックやFinTechといったデジタルを活用することで、売上貢献やコスト削減に活用する事例が多く見受けられており、コロナとは関係なく、ここ数年で小売業態であれば、業態の変革を求められるような状態でもあった。しかし、この変革に消費者がまだ追いついていない状況を感じていたが、今回のコロナによる影響を受けて消費者側にもデジタルの活用について障壁が下がっているのでは無いかと考えている。

 したがって、業態によってはビジネスモデルの再検討、もしくは別事業への展開といったことを検討する必要があり、コンサル業界やIT業界では、それらの支援をソリューションとして提供し始めているが、今回はコロナによる影響を受ける前にPJで行われる新規事業の立案について、どのようなステップややり方で立ち上げられていくのかをご紹介したい。コロナの影響によってビジネスモデルの変革や業務を改善するという領域においては、別の記事(DX)の方で取り上げたいと思う。

www.consultant-biz.com

 

■ 新規事業の作り方

 例えば、新規事業を作るにあたっては4つのステップを踏む。

  1. アイデア出し
  2. ビジネスモデルの検討
  3. 事業性評価
  4. 事業計画の立案

f:id:consultant-biz:20200514155817j:plain

新規事業の作り方

 まず、アイデア出しであるが、これはクライアントがある程度考えとしてある場合と全く無い場合によってアプローチの仕方は異なる。それは次の章で説明するが、新規事業としてなりそうなアイデア候補を幾つか選定し、そのアイデアを活用した場合のビジネスモデルを検討するのが2ステップ目である。ビジネスモデルでは、主にお金とサービスの流れ、提供する価値や、自社である意義や模倣困難なモデルであるか等を検討する。そして、モデルとしてもある程度感触が良さそうな場合には、事業性を評価していく。これは場合によっては先にもしくは並行して進むケースもあるが、今回のビジネスの市場規模や動向等の事業性を評価したり、プレイヤーはどの程度いるのか・他社も同様に参入しやすい分野なのかといった競合性を評価したり。さらには、上場企業や上場を考えている企業であれば、投資家が魅力を感じるような分野でるかどうか等、様々な検証項目を経てその事業を行うに値するかどうかを検証していくのである。

 その結果、さらに筋が良い事業モデルに対して、儲かるのか?(PL Model=損益計算書)、その事業をスタートするにあたって、体制は?アクションは?といったアクションプランを策定していくのである。各ステップについて、さらに深堀りをしていきたいと思う。

 

■ アイデア出し

f:id:consultant-biz:20200514155806j:plain

3C分析

 新規事業の作り方については、様々な方法がある。技術ドリブンで課題と解決策を整理したのちに、ビジネスモデル、マネタイズポイントを検討するパターンや、自社の内部環境を分析し、既存事業との関連連性や投資家への魅力度等を評価していくパターン。さらには、社内公募のアイデアから市場性や競合性を明らかにして、事業計画を作成していくパターン等。これらは、企業の業種や企業の精神性によって、ステップは異なる。近年の新規事業は主に、AIを含めたITを活用したモデルを検討することが多く、そのためDXとも親和性が高い。このアイデアについては、先程述べた社内公募やPJの最初のフェーズで事例調査とブレストを行いながら、アイデアを拡散させていくという方法等が挙げられる。一方、技術力のある会社ではユーザーの困りごと(ニーズ)を洗い出しし、ニーズに対して打ち手を作ることで新規事業へと昇華させていくこともある。

 つまり、これらの作り方をまとめると新規事業の1stステップであるアイデア出しについては、主に3パターンが考えられ、これは3Cで整理することができる。まずは、自社の内部環境を整理して自社のリソース(ナレッジ、人材等)を活用して新規事業のアイデアを検討するパターン。つまり、自社とのシナジーがある事業が生まれやすい。次に、顧客を起点としてアイデアを検討するパターン。冗長的にはなるが、顧客の課題について、技術を活用して解決することで、新規事業を作り上げていくパターン。製品レベルにはなるが、例えばダイソンのサイクロン掃除機はそれに該当する。最後に、競合について、他社の事例等を集めながらアイデアを拡散していき、ビジネスモデルを検討していくパターン。

 そして、ある程度アイデアが収束してきたら各アイデアに対して、ビジネスモデルを検討するフェーズになっていく。次はビジネスモデルや事業性評価にあたってどういったポイントを検討していくのかを説明していく。

 

■ ビジネスモデルと事業性評価

f:id:consultant-biz:20200514155810j:plain

事業性評価

 ビジネスモデルについては、様々な記事や本で説明があるため、多くは述べないが、アイデアを基にどのように儲けるのかを検討する。そして、そのモデルにおいて自社に不足しているリソースがあれば、どのようなプレイヤーと提携スキームが考えられるのか、マネタイズはどのようにしていくのかを考えていく。これらの観点を基に、ある程度ビジネスモデルを作っていくわけだが、事業性評価では簡単に言うと「儲かるの?」という点を検証していく。

 添付のように検証するカテゴリは主に3つである、今回のビジネス領域が市場としては、追い風なのか向かい風なのか、顧客のKBF(Key Buying Factor)は、KSF(Key Success Factor)は?といった点について検証する。そして、同領域において参入するにあたって、規制がないか、競合プレイヤーはどのような構造か(寡占状態なのか?競争が激化しているのか?等)、自社の競合優位性は何か?といった競合性を検証する。このあたりのフレームについて勉強したい方は三谷さんの「経営戦略全史」を読んで頂ければ、理解できると思う。大学生のときはマイケル・ポーターの論文等を読んで、経営戦略を理解しようとしていたが、非常に難解に感じていた。しかし、経営戦略全史は非常に分かりやすく、すっと腹落ちするため、おすすめの一冊である。脇道にそれてしまったが、このような検証項目を基に、実際に事業として展開した際に、うまく事業が成り立つのかを検討するのが事業性評価のフェーズである。この事業性評価は、企業買収や合併などで行うBDD(ビジネスデューデリジェンス)等でも活用するフレームワークであり、「その企業買収するけど、未来あるんだよね?」と事業性を評価する。

 このように新規事業のみならず、新サービスを検討する際にもこの評価項目は活用できるので、参考にしてもらえたらと思う。但し、冒頭にお伝えしたように項目も状況によって変わるのは留意頂きたい。企業のフェーズによっては、投資家への魅力度や既存事業とのシナジー等が評価項目として求められるケースもあるため、そういった項目はクライアントと擦り合せしていくことをお薦めする。

 

■ 事業計画(PLモデル作成)

 最後に事業計画だが、ここは各社によって大きく異なる部分である。要は「結局儲かるの?」という点を数字に表わしていく作業であるが、数億円の会社でPLを計算して億を超える収益が見込めるのであれば、Goサインが出るだろうが、数千億円の売上を有する企業であれば、数百億円の売上が見込めないと、Goサインは出ないだろう。また、損益分岐点を何年以内でなければならない等、各社によって制約が異なるため、その制約に照らしたときにPL Modelがクリアするかどうかを見る部分である。この作り方については、BDDで述べていきたいと思うので、ここでは割愛する。

www.consultant-biz.com

 新規事業の作り方について、1例挙げたが、必ずしもこのやり方が正しいわけではなく、現状のようなコロナであれば、スピード感を求められ、説明したステップを踏むとなると1~2ヶ月を要してしまう。取捨選択することで、可能ではあるが、このあたりの臨機応変さはやはり経験が必要になるだろう。